Leica M8とM9の違いを比較 ② 外観・デザイン編(ブラック)
第1回では外観・製品仕様と機能・価格の面をざっと比較しましたが、この回ではデザイン・外観についてもう少し詳しく比べてみたいと思います。
【素材】
M8、M9ともに全く同じです。ボディはマグネシウム合金。M6以降、特別なモデルを覗いて基本的にはボディの素材は全て同じとなっています。
トップカバー(軍艦部)とベースプレート(底蓋)の部分はともに真鍮の削り出し。ずしりとした重さはこの真鍮部分があるからこそ。
【カラー】
ここが最大の違いです。
M8:ブラッククローム・シルバークローム
M9:ブラックペイント・スチールグレイペイント
文字だけで見ても分かりません、というかライカを初めて買う方は「?」って感じだと思います。自分もそうでした。百聞はなんちゃらと言いますので、まずは写真を見てみましょう。
上がM8、下がM9です。
どうでしょうか。きれいな状態を見比べると分かりにくいですが、使い込まれたものだと違いが顕著に出てきます。
M8のブラックはクロームメッキ仕上げなので、真っ黒という感じではありません。マットブラックっぽい感じでしょうか。光の当たり方によってはグレーっぽく見えることも。
使い込んでいくとメッキが剥がれて黒色が段々と掠れていき、最終的には銀色っぽくなります。すごく分かりやすいのはこんな感じ。
M9はブラックのペイントなので漆黒という感じの黒です。光があたるとテカテカしている印象ですね。M8と比べると白い文字がハッキリしているように感じます。こちらは使い込むと塗装が剥がれ、その下からは真鍮の地金が。やばいですよこれ。
最高に格好良いです。黒色に金色は反則的でしょう。ライカのブラックペイントが人気があるのも納得です。
少し話は逸れますが、M3やM4のブラックペイントは生産された数がめちゃくちゃ少ない上に欲しい人が多いので、とんでもない値段が付いています。
オリジナルのブラックペイントが手に入らない人がシルバーの個体にブラックのペイントを依頼した「後塗り」と呼ばれるものもあります。一度分解して、クロームメッキとニッケルメッキを溶剤で溶かして地の真鍮に戻し、それを部品ごとに黒色に塗装するのですが、そこまでしても欲しいぐらいブラックペイントには魔力があるのです。
もうちょっとブラックペイントの画像を置いておきますので堪能してください。
ブラッククロームも使い込むうちにオールド感というか、掠れた感じが出て渋いんですが、2つを見比べるとブラックペイントから真鍮が出ている方が個人的には好きですね・・・
「写り」を求めてどちらかを選ぶのも一つの動機ですが、持ち歩いて撮影するモチベーションとなるならばモノの見た目もとても重要です。ライカというカメラが特別なのはその点にも重きを置いているからなんでしょう。M3から基本的に変わっていないデザインというのも惹かれるものがありますし。
という訳で今回はM8 ブラッククロームとM9 ブラックペイントの違いを写真でお伝えしました。
中古店でもM8とM9を2台並べて見られる機会というのは中々無いですし、特に地方にお住まいの場合は難しいかと思います。写真だけでは中々伝わりにくいかもしれませんが、少しでも2台の違いが分かれば幸いです。
予想以上に長くなってしまったので、シルバークロームとスチールグレイの比較は次回にします。その後、実際の写りの比較もやっていきますのでもう少しお待ち下さい。
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