バルナックライカの標準レンズと言えばElmar(エルマー)ですが、エルマーの次に出た標準レンズがこのHektor(ヘクトール)。

レンズの名前の由来はレンズの設計者、マックス・ベレクの愛犬の名前からだそうで・・・ヘクトールというのはギリシャ神話のトロイ戦争の勇者の名前ということなので、一応それが由来とも言えるかも。




1931年に製造されたコーティングの無いレンズですので総じて柔らかい写りです。

ただ、今回のヘクトールはノンコートのレンズに多い前玉のスレやクモリは殆ど無いため思った以上にはしっかり写っているという印象です。

開放(F2.5)での四隅の落ち込みや滲みはまさにこのレンズの味という感じです。コントラストが低いため、カラーよりもモノクロの方が相性が良いでしょうか。

前玉に光が入るとフレアが出ます、オールドレンズならではですがフードを付けてそれを回避することももちろんできます。

その後に更に明るいF2のSummar(ズマール)が出たためあまり日の目を見なかったヘクトール。生産数はかなり少ないです。

ニッケルの外観はブラックペイントのDIIIなどにはもちろん、同じくブラックのM9やM-Pに合わせても渋くて良い感じです。

M9に付けて店内での試し撮りをしました。室内だとこんな感じの雰囲気で写ります。参考にしてみてください!