でかいです。ひたすらにでかい。ものすごい主張です。ただ、一眼レフ用の90mmと同じぐらいです。ライカの他の90mmレンズが小さすぎるというので際立ってしまうのかもしれません。
製造時期によっても異なりますが、これはアルミ鏡胴でヘリコイド部分は真鍮だと思われます。ブラックのクロームメッキもきれいで金属感はものすごいです。
ピントや絞りのローレット加工(ギザギザになっている加工)の細かさも注目です。ペイント部分は一回彫り込んでからペイントしてあります。
前回紹介した、Summiluxの初代もそうですが60~70年代のライカレンズは素材、加工へのこだわりが物を見ると凄く分かります。単に写せれば良いのでは無く、レンズそのものを工芸品としているような作り込みです。
大きいのはデメリットかもしれませんが、f/2で撮ることができるのはこのレンズだけです。
適度なボケと解像度が良いですね。色味も含めて、オールドレンズらしい写りとも言えるかもしれません。
レンジファインダーでの90mmはピント合わせが結構大変でしたが、一眼レフと違って全体の中で切り取ることが出来るのと、実際に画面で見た時に結構な感動があります。
35mmや50mmが日常を切り取るレンズとすると、90mmは非日常を写し出してくれるとも言えると思います。
M Typ240以降のモデルであれば、画面を見ながらピント合わせができるのでより使いやすいかと。
手にした時は「でかい、重い」という感じでしたが実際に構えて撮っている時はそれほど気になりませんでした。現行のSummilux 50mm f/1.4 ASPHも結構な大きさと重さなのでそのあたりのレンズをお使いの方は違和感なく使えると思います。
手軽さで言えばTele-Elmarit-M 90mm f/2.8が間違いなく勝ります。あれほど小さな90mmはありませんので。ただ、使っていて「もう少し明るかったらなぁ」と思う場面もあると思います。
現行のAPO-Summicron 90mm f/2 ASPHの描写はもちろん素晴らしいですが、お値段も素晴らしいので、その半分以下の価格と考えるとこのレンズも候補に入るのではないでしょうか。
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「8枚玉」と言われる初代ズミクロン35mm F2と同じ鏡胴のため、デザインと造りが非常に良いです。
無限遠ストッパーの「パチッ」という音が気持ち良いですね。
F3.5のズマロンからガラスの硝材を変えることで更に明るい、F2.8というレンズが出来上がりました。
写りに関してはクセの無い、オールラウンドなレンズという印象です。
解像感はありつつもコントラストは少し低めで、優しい感じの写りです。
メガネはM3用ですので、ミラーレスや他のM型ライカで使う場合は取り外して置くことも可能です。
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ライカのオールドレンズの中でもかなり個性的なのがこのズマリット。
淡くてソフトな描写、逆光で出る虹のゴースト、ぐるぐるボケと特徴がいくつもあります。
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エアリーフォトで知られる山本まりこさんが使っていることで注目度が高まりました。
戦後すぐに製造されたレンズですので良い状態のものが結構少ないです。
そのため、市場での値段も上がっております・・・・
前玉にスレが若干ありますが、コーティングの性能の問題でどうしてもスレがある個体が多いのがこのズマリット。
スレの少ない綺麗なものを見ることが中々難しくなっています。今回のレンズはスレが少なく、非常にきれいな状態ですので絞ると結構シャープに写るかと思います。
レンズ本来の力が分かる1本ではないでしょうか。
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意識して風景を見る際の人の目の焦点距離は50mmと言われています。
このレンズは自分の目で見たものをそのまま保存してくれる、そんなレンズとなること間違いなしです。
35mmフィルムカメラの始祖たるライカの最初の市販モデル、A型に付いていたレンズは50mm。
それ以来、50mmレンズは標準レンズとして今日まで使われています。
エルマーやズマリット、おなじみのズミクロンとノクティルックスとライカの50mmのラインナップはどれも個性的ですがこのズミルックスは現行レンズの中で一番使い勝手が良い、スタンダードなレンズかもしれません。
開放から解像感やシャープさは素晴らしいですし、ボケも美しく、被写体が浮かび上がるような描写になります。
最短撮影距離は0.7mと少し寄ることもできるのでお店の中なんかでも使う機会はたくさんあると思います。
薄暗い中でもしっかりと解像してくれますし、暗い雰囲気もしっかり出ます。
カラーはもちろん、モノクロ写真でも人や物の質感が分かるのが凄いです。
デジタルライカのお供として、最初の1本には最高のレンズ。
《Summilux 50mm f/1.4 ASPH フォトギャラリー》
Summilux-M 50mm f/1.4 ASPHで撮影した写真はこちら。
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この第3世代のズミクロンは前の世代のものに比べると10%ほど軽くなりました。
コンピューターによる光学設計を取り入れ、1979年に製造が始まったこのレンズの構成や設計は
今のズミクロンにも引き継がれています。
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特にデジタルのボディではその解像度の高さを実感できると思います。
30年前のレンズとは思えないほどの描写。
高めのコントラスト、シャープな写りが好きな方にはバッチリハマります。
もちろん、写りだけで言えば近いものはライカ以外にも沢山あるのですがこのコンパクトなサイズでというのが凄いなぁと思ってしまいます。
こちらのレンズで撮影したギャラリーをご覧頂けます。
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写りに関しては開放では独特の柔らかさとピント部分の描写の細かさが際立ち、水彩画のような写りというイメージです。
絞りをF4まで変化させるとふわっとした印象が消えて自然なボケと解像度の高い写りが見られます。
35mmの初代ズミルックスはもっと滲みが強く、ボケボケに思えてしまうこともあったのですが、この50mmはそこまでフレアが盛大に出ているわけでは無く、まとまりがあるいう印象です。
現行のズミルックスとは全く違う、二面性を持ったこのズミルックスはとても面白いレンズでは無いでしょうか。
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ガラスを貼り合わせるのが普通なところを貼り合わせず、空気の層を作った設計は「空気レンズ」と呼ばれる由来ともなっています。
当時のライカの技術を全て注ぎ込んだこのレンズの描写は解像感、コントラスト、柔らかさの全てバランスが良く、オールドレンズの最高峰と言っても過言ではありません。
その上、レンズ自体が非常に小さいです。沈胴前の状態でもフィルムと同じぐらいの大きさです。
同じ沈胴レンズのエルマーと比べても3/4ぐらいの大きさだと思います。
このコンパクトさと写りを見てしまうと、他のレンズでは物足りなくなるかもしれません・・・・